老後を考える基礎 日本人の平均寿命

老後問題
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年に何回か、こんな相談を受けます。
「一生分の“収入”と“支出”を比べた表を作りました、見てください」
素晴らしいですね。僕たちFPのサポートなんていらないレベルの質問です。

でも、そんな方たちの悩みがこれです。
「何歳まで生きるのかわからないので、最後が決められない」

…たしかに、これは誰もが予測できないこと。
実は、この質問に対する明確な答え終身年金のことも学んでほしいのですが、それは別の機会にまとめます。

まずはそれ以前の基礎を知っておきましょう。
「日本人はだいたい何歳まで生きるのか」を知って目安を立てるのが第一歩です。

終身年金について

日本人の平均寿命は?

ズバリ、男性が81.56年、女性が87.71年です。

これは、厚生労働省による国勢調査によって5年に1度作成される完全生命表にて発表されています。ちなみに、前回の完全生命表が発表された平成27年と比べても、男性は0.81年、女性は0.73年寿命が延びています。9回連続過去最高を更新している状況です。

とはいえ、果たして寿命が伸びれば良いのでしょうか?

寿命が延びているからといって、健康とは限りません。
実は、「健康寿命」という統計もあるのをご存じですか。

健康寿命ってなに?

健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。つまり、支援や介護を必要とせず、自力で生活できる状態ってことですね。
2000年からWHOが提唱し、健康に生活できる期間に注目が集まっています。 あなたも健康で長生きしたい、元気な老後を思い描いているのではないでしょうか。 でも実は、日本人の平均寿命と健康寿命の差、つまり「健康でないが生きている」期間は、男性で8.73年、女性で12.06年あります。おや?けっこう、長いと感じませんか?しかも、寿命と健康でいられる期間は縮まってはいないんです。

もしも今後、寿命だけがどんどん伸びて、健康寿命が伸びなかったら… 健康ではない期間は収入を得るのは難しく、一方で医療費や介護費がかさみ、支出は増えます。年金と、現役時代に準備した資産が唯一の頼りです。 思った以上にお金が不足したら、そこから対応するのは、ほぼ不可能だといえるでしょう。

老後資金を効率よく使うために、健康寿命を延ばす

当然ですが、健康で生活できる期間が伸ばすことができれば医療費や介護費などの支出を抑えられます
仕事をリタイヤしてから、対策をとっても手遅れの可能性が高いでしょう。30代40代なら、まだ多少食生活が乱れても、仕事を無理しても、なんとか乗り切れているかもしれません。しかし、その生活習慣や、働き方のパターンが将来、同じようにできるとは考えにくいでしょう。

これは老後に向けての貯蓄と同じ。将来を早めに見積もって、健康に過ごせる生活習慣長く働ける働き方を少しずつ考えて実践しはじめましょう。 健康寿命が長くなればなるほど、家計への負担も小さくなり、今からすべき金銭的準備の負担も小さくなります。

今回は日本人の平均寿命と健康寿命について紹介しました。 健康寿命を延ばすことは、将来の見通しが立てやすくなり、その結果、老後のお金を過剰に準備する必要がなくなるため、今使ってよいお金が増える可能性すらあります。 老後のお金と同時に、健康な生活習慣も、早いうちからコツコツと!がポイントです。

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