働き方が多様化している現代。お友達にもフリーランス・自営業者が増えているのを感じますよね。
ワークライフバランスを意識した働き方も可能になりました。
では、フリーランス・自営業として働くと、老後の年金に結構な影響があるのですが、ご存じでしょうか?
「老後のことまで考えたら、脱サラのリスクが変わる」
「主婦だけど、自営で本格的に働いたら収入が増えるけど、年金は?」
「すでに国民年金になって、漠然とした不安がある」
そんな方に「国民年金基金」という選択肢について紹介します。
老後の年金対策は必須
いきなりですが、フリーランスや自営業の方は、ほとんどの場合、老後資金は足りなくなります。
なぜなら、会社員は加入する「厚生年金」に加入しておらず、現役時代に支払う年金保険料も少ないですが、その分、もらえる年金も少ないからです。
厚生年金に加入しているサラリーマンでも、いまどきは老後に資金不足になりますが、それ以上に、フリーランスや自営業の人は老後への備えを真剣に考えることは必須といえます。
→国民年金と厚生年金(20220215)
→今からの備えは必須!フリーランスの年金対策(20220727)
→一体いくら用意すればよい?自分に必要な老後資金を知る(20220713)
国民年金基金
国民年金基金は「公的年金制度」の一つです。
誰でも加入できるわけではなく、年金の「第1号被保険者」が対象になります。
つまり、フリーランスや自営業の人ですね。
公的年金が1階部分の国民年金しかない第1号被保険者にとって、年金を上乗せできる選択肢の一つになります。
なお、第1号被保険者でも、国民年金の保険料を払っていない方、免除されている方、農業者年金の被保険者は、加入できません。
国民年金基金とiDeCoの違い
フリーランスや自営業の人が加入を考える年金制度のひとつにiDeCoもありますよね。この違いがわかると、自分が何を選択すべきかわかりやすいので、理解しておきましょう。
2つの点で比べて理解しておきましょう
「国民年金基金」は「確定“給付”年金」です。
「給付が確定している」と考えるとわかりやすいです。
申し込んだ時の予定利率で掛金が運用され、将来の年金額が確定されています。
将来いくら受け取れるのか予測できるというのはメリットかもしれません。
一方「iDeCo」は「確定“拠出”年金」です。
「拠出が確定」していますが、給付額は確定していません。
毎月の掛金は決まっていますが、将来の年金額が決まるのは、自分の運用実績次第です。
あなたがどの金融商品を選び運用するかで、老後の年金額が変わります。
iDeCoは投資ですので、元本割れのリスクもありますが、うまく運用できた場合、運用益も非課税で受け取れます。
→iDeCoメリットデメリット(20211130)
もう一点、国民年金基金は終身年金で受け取りますが、iDeCoは現金で一括で受け取ります(一部例外あり)。この終身年金という言葉、老後対策には必須の単語なので、ぜひ学んでおいてください。
→終身年金と有期年金(確定年金)
国民年金基金は税金の控除対象
国民年金基金は公的な個人年金です。
掛金全額が税控除対象で、所得税と住民税の節税効果があります。
ちなみに、第1号被保険者(例えば夫)に扶養されている家族(例えば妻)も、第1号被保険者として国民年金基金に加入できます。
夫婦で加入すれば、もちろん両方の掛金が全額控除の対象になるのですが、なんと、収入の多い方が両方を負担すると、節税効果を最大限活用できるんですよ!
国民年金基金のメリット
国民年金基金は上述のとおり支払い額も確定していて、さらに公的な制度なので破綻する可能性はかなり低いです。老後は人生最後の砦。失敗すると取り返しがつきません。「損得以上に、失敗が少ない方法を大切にする」のはライフプランの一つの考え方です。
また、何よりも特徴的なのは、上述した「終身年金」であること。65歳から一生涯年金を受け取ることができるんです。平均寿命が延びている今後の老後の長さを考えると、「一生涯受け取れる」年金は、かなり不安が軽減されると思いますが、あなたはどう思いますか?
中には「一生涯受け取れて得をするのは、長生きする人だけでは?」と思うかもしれません。実は国民年金基金は、早く亡くなった場合、家族に遺族一時金が給付されるんです。
国民年金基金のデメリット
国民年金基金のデメリットは、加入したら途中で止めることができない点です。
家計が厳しくなっても掛金を払い続けなければならないので、加入するときはしっかり予算を確認・確保しましょう。
とはいえ、辞めることはできませんが、掛金を減らすことはできますので、最低限を確認しておきましょう。
また、上述しましたが、国民年金基金は「将来受け取れる年金額が、決まって」います。
ということは、物価が上がった場合、予定に足りない可能性があります。
そのことも考慮しつつ、老後資金を用意する必要がありますよ。
→長期間の物価の上昇について
国民年金基金について紹介しました
誰しもが、老後への備えは必要ですが、特にフリーランスや自営業の人は公的年金の2階部分がないので、少しでも早く、自分で判断して備えなければなりません。
メリットだけの方法はひとつもなく、それぞれの方法がメリットとデメリットの両方を持ち合わせています。
あなたの状況や価値観によって、ぴったりな方法は違うので、まずは知ることです。
途中で止められなかったり、止めると損をする選択肢もあります。うかつに始めるのではなく、まずは知ることから始めてください。
個別相談ではあなたにぴったりな方法を一緒に探すサービスもやっております。必要な方はご相談くださいね。