年金が増える? 繰り下げ受給とは

年金
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年金の保険料を納めていても、年金をもらうときの仕組みって意外と知らない方が多いです。
もらうのはまだまだ先なのはその通りですが、その準備には、時間がかかることを考えると、仕組みを学び考えるのは30代くらいからしておくと、正しい備えができますよ。 特に、今回とりあげる、「繰り下げ受給」は事前の準備が非常に大切です。

繰り下げ受給とは

現在、年金は65歳から受け取るのが一般的です。 それを、1年以上繰り下げて受給することを「繰り下げ受給」と呼びます。 1年以上繰り下げることで、毎月の受給額が変わるんです。

繰り下げ受給で年金はいくら増える

繰り下げ受給の最大のメリットは年金額が増えること。1ヶ月ごとに、0.7%ずつ増えていきます。それを5年間、70歳まで繰り下げたら、なんと、その額42%です。 年金は苦しいといわれていますが、1.42倍になったら、多くの方はかなり安心なのではないでしょうか。 このように70歳まで繰り下げることは、以前からできましたが、2022年4月からは、なんとさらに75歳まで繰り下げる事ができるようになりました。75歳まで繰り下げたら、なんと1.84倍、つまり倍近くに増やすことができるんです。 しかも、この増えた分の金額が、一生涯受け取れるのが国の年金の大きな特徴です。長生きに対する備えとして、これほど安心なものは他にない、と思います。

日本人の平均寿命は

ちなみに、繰り下げ受給の背景には、平均寿命の伸びや、60歳を超えても働ける人が増えた事、それに対して社会全体も少しずつとはいえ順応してきている事が考えられます。働けるうちは働いて、受給開始を遅らせることが、働けなくなってからの毎月の生活費の大きな助けになるという事です。
以前はそんな選択肢自体がありませんでしたが、現在はこの変化に順応するように社会が変わってきています。この変化を正しく理解して、あなたも変化をしていく必要がありますし、変化するチャンスともいえる時代です。これを定年間近な方に伝えても「冗談じゃない」といわれそうですが、これを読んでいる30代40代の皆さんは、ぜひ、選択肢の一つに入れてほしいものです。

繰り下げ受給できない年金もある!?

ちなみに、老齢年金には、国民年金と厚生年金があるのをご理解されているでしょうか。 他で書いているので、チェックしてくださいね。国民年金と厚生年金、どちらも繰り下げ受給可能ですよ。要件さえ満たせば片方だけ繰り下げることもできます。 ちなみに、年金には、老齢年金、障害年金、遺族年金がありますが、繰り下げ受給で受け取り金額が増えるのは「老齢年金」のみです。遺族年金と障害年金は繰り下げ受給できません。この二つは、加入者が亡くなったり、病気やケガになったときに支給される年金なので、繰り下げるという考え方は合わないのかもしれません。

老齢年金について

遺族年金について

繰り下げ受給にはデメリットもある

よくメディアにとりあげられるのは、この損得の話です。 繰り下げ受給するとトクをするのは、あくまで長生きした場合の話。もし、早く亡くなってしまった場合は損、ということになります。81歳や86歳まで生きれば、おトクですが、こればかりは予測できないですよね。

また、年金の受給額によって、所得税や社会保険料がかかります。つまり、受給額が増えることで納める額も増えることがあるんです。年金は税金を差し引いて振り込まれるため、思ったよりも増えてないなんて感じることもあるでしょう。 そのためにも、税金についてちょっと学んでおく必要がありますね。

老後の年金の税金は?

繰り下げ受給の手続きはどうする?

繰り下げ受給の手続き、実はとっても簡単なんです。65歳に老齢年金の支払いが始まる前に、請求するための郵便物が届きます。それに返信しなければ、自動的に繰り下げられます。
つまり、年金の受給を開始する手続きをしなければよいだけなんです。 繰り下げしていたけど、やっぱり年金が必要だと感じたら、年金事務所や年金相談センターで相談・手続きするだけです!

今回は繰り下げ受給について紹介しました。 長生きの可能性が高いのは常識ですが、年金については基本的なことも知られていません。 働き方や、資産形成などにもかかわる大きな問題。 30代・40代のうちに方向性を決めて、まずは方向性を決めることが第一歩です。 一人ではどうしたらよいのかわからない方は、個別相談も受けていますので、ご相談くださいね。

個別相談について

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